2013年10月31日木曜日

旅先で見つけたものから

先月の16日に自分の研究のため大阪に行っていました。
目的としては、OpenAが手がけた『道頓堀「角座」』とクリエイティブセンター大阪で行われた『Designeast04』を見ることでした。

「角座」前に設計された広場、出店のお客やそうじゃない人も集まれる場




















なぜ今回このような記事を書いたのかというと、この「角座」も面している道頓堀の通りにこんなお店を見つけたからです。

























客席を見てみると畳です。
写真を拡大して見てみましょう。


















キャスターがついていて移動可能なのです。
これをみて「あれ?どこかで見たことがある」と思った方もいるでしょう。
2005年に亡くなられた建築家の清家清さんが設計した「私の家」があてはまるのではないでしょうか。
その住宅にも移動可能な畳がありました。

このようなインテリア(もはやエクステリアのようにも思えるのですが)であれば、用途を限定すること無く様々な機会で使うことが出来るのでしょう。

(文・写真=小林 史明)

2013年9月20日金曜日

仮設でつくる場所

最近、山形R不動産のメンバーでもある小野寺くんの設計によるドラム缶風呂や仮設の脱衣所などを製作していました。

そこで、前回のフリーレントや貸し物件において容易に空間を作る方法はどのようなものだろうと考えて見た時に、「仮設」ということが鍵なのでは無いかと感じました。

固定し過ぎないことや作業を難しくしないということで考えてみると、今までに自分でも経験したことがありました。
それは、学部時代に行った卒業設計の展示です。
パレットと呼ばれる荷物を載せるための荷台を金具でとめるだけでカウンターにしていました。

卒展だけではなく、様々なイベントで重宝しています。



















ただ、問題なのはとても重く大きいため持ち運びが困難であることです。
元々の用途が荷物を運ぶ為のものなので頑丈であることが重要なので仕方が無いのですが…
しかし、その重さを解消さえ出来れば様々なイベントやフリーレントの機会に活躍してくれそうです。

(文・写真=小林史明)

2013年8月21日水曜日

試すためのハードル

最近は、漠然とフリーレントスペースをどのような人に使ってもらえるかを考えていました。
しかし、やはり実行に移すにはもっと「容易にできる」と思ってもらう事が必要なのではないだろうかと思います。

『今の○○○なテナントなので〜な使い方が出来ますよ』
だけでは、やはり実施に繋げることが難しいというのが現状です。

そこで考えたのが、「空間のつくり方を提示すること」と「そのために使うツールを貸し出しする」と言う形で用意すること。

雰囲気のいいテナントでも、広さが合わないと行った場合では上手く仕切るシステムを提示する事で何人かでシェアして使ってみようと思ってもらえるのでは無いでしょうか。
またツールを貸し出しにする事で、フリーレントならではのお金をかけないで試してみることが可能になります。

次回からのブログでは、テナントの情報と空間の使い方など紹介できればと思います。

(文=小林 史明)

2013年8月4日日曜日

制限を1つだけ無くす

最近、大学院の研究発表などがあり、なかなか街なかに行けていなかったので
いつもとは違う目線で書いていきます。

今、山形R不動産では「バリューアップ原状回復プロジェクト」を行っています。
そこで言えるのは借り手も大家さんにも価値のある空間にしようとしている事です。
そのためには、壁や床が汚れても大丈夫にするというようなことであったり、
畳フローリングを使い、テーブルの脚の跡が出来ても安価に交換できるのではないか
というような事を行っています。

また、最近「大家も住人もしあわせになる賃貸住宅のつくり方」(青木純 著、学研パブリッシング 発行)などを読んでいる途中なのですが、壁紙を住人が選べるサービスがあったりする。
それは、たんにかっこ良くなるとかじゃなくて、自分で自分の空間を獲得することに意味があるのではないかと思う。

本は、賃貸住宅についてだが、貸しテナントに関してもなにか1つ制限を無くす、または、権限を与える事によって魅力的な空間になるのではないだろうか。
それを解決するためには、まず何が制限なのか調べないと。

2013年7月29日月曜日

まちの歴史

七日町周辺の空きテナントを探しているとこんなものを見つけた。




























「旧 元三日町」の文字。
あれ?っとも思いながらも、実はこのような昔の姿を皆さんに
伝えていく事で、「こんな事したい。」というきっかけ作りに
なったりしないかなと思っています。

(文・写真=小林史明)

2013年7月24日水曜日

空き地の可能性

山形市の中心市街地、七日町にも空き地が有りました。

緑色の所が空き地です。


街なかのアスファルトがない空間。
隣は、蔵を利用した喫茶店があります。

なにやら後ろには崩れかけた建物が...

この空き地は、ニューヨークに初めて誕生したポケットパーク
「ペイリーパーク」のような使い方の可能性があるのではないでしょうか。

ここには地元の植栽が育てられ、大きく育った木々が影をつくり出します。
周辺にある喫茶店から飲み物を購入し、ランチを食べたりする光景を浮か
べる事が出来ます。

ここでは、フリーレントとしてどのような使い方が出来るのでしょうか。
すこし考えてみたいと思います。

(文・写真=小林史明)

2013年7月22日月曜日

管理人のいる街の緑地

先日、発見したテナント。
どんな使い方があるのだろうと考えてみました。


より大きな地図で HOUSENBA を表示

周辺は、バーや居酒屋、カフェ、割烹料理屋さんが並んでいるのですが、
そこからどのようにつながって行く事が出来るのだろうと思いました。


















バーやカフェがあるから、そこをミーティングや打ち合わせの場に
出来るシェアオフィスや...とも思いましたが、なにかしっくり来ません。

そこで、ここにはどんな空間が有るのだろうと、もう一度考えてみると。
飲食店しかない訳ではなく、マンションがあることに気づきました。


周囲には、住空間がありました

















そして、中心市街地には子供が遊べる場所が無いのではないでしょうか。
まちなかで子供たちが集まるのは、中心市街地のイベントがある時だけ
のように感じます。

そこで、空いているテナント+駐車場を利用した「管理人の居る緑地帯」
を考えてみる事にします。

テナントからマンションまで緑地を繋げる
















管理人は、道具やその使い方を教えます。
子供たちは、その道具を用いて工作などを行うというのはどうでしょう。
また、夏の暑い日には、周りの居酒屋さんが緑地でビアガーデンを開催
し、近隣の人と楽しむ場所にもなるのではないでしょうか。

フリーレントスペースとして考えてみると、マンションという住空間が
あるので、プロダクト製品の体験出来るワークショップ会場などの可能
性があると思います。


この物件やプロジェクトに関するすべてのお問い合わせは、下記メールアドレス宛にお送りください。
contact@realyamagataestate.jp

(文・図=小林史明)

2013年7月16日火曜日

住居機能を持つテナント

今回、見つけた空きテナントはここ。

NBAの文字が目立つ建物


1階の開口部が広いテナント。
以前は、バスケットボールの専門店だったのでしょうか?

決して広いとは言えないのですが、トイレは付いている様です。
このテナント以外の部屋は、住居のようです。

果たして、この物件はどのように考えられるのでしょうか。

次回は、周辺の環境から使い方を考えてみようと思います。
(文・写真=小林史明)

2013年7月1日月曜日

空き物件と周辺環境を見てみよう。

先日記事に掲載した空き物件。
実は、こんな場所にある物件なんです。


より大きな地図で ブランドオール山形七日町店 を表示

GoogleMap上に印の付いた物件は、山形県の中心市街地である七日町のメイン
ストリート沿いに位置しています。

なぜ地図で物件を紹介したのかと言うと。
それは、折角空き物件に新たな店舗が出店したと思ったのに、あまり長続きせず、
閉店してしまうという事がありました。
そういった背景には、「まちと上手く関われていない」ということがあるのでは
と考えました。

そこで今回は、空いている物件がどんなものなのかというよりは、周辺にどんな
建物があるのか。
そして、そこでお店を開く時どんな関係が気付いていく事ができるのかという事
にポイントを当てて書いていこうと思います。

灰色:空き物件

















この地図では、前回の記事の情報とさほど変わりがありません。
しかし、次の地図ではどうでしょう。

周辺の情報を書き加える。

















このように周辺の状況がわかってくると、
  • 大型書店と個人経営型の書店がある。
  • コンビニがある。
  • ファストフード店や昔ながらの喫茶店がある。
  • 薬局がある。
  • 八百屋さんがある。
  • 駐車場がある。
昼は、喫茶店で軽食を食べ、珈琲を飲む。
夜は、飲み屋さんに出かける事も出来る。
近くには、書店があるので本を買うのにも便利です。

このように考えると、飲食店が入ったり、書店が入ったりするよりは
先日の投稿にも書いたように「シェアオフィス」のような使い方が
合っていると思います。

周辺で軽食を済ます事が出来、情報も得られる。
駐車場も近くにあるので、駐車料金を払ってもお客さんにメリットがある
サービスを提供する事で魅力ある空間になるのではないでしょうか。




















この空き物件が、まちにどんな楽しみを与えられるのかが今から楽しみです。

この物件やプロジェクトに関するすべてのお問い合わせは、下記メールアドレス宛にお送りください。contact@realyamagataestate.jp

(文•写真=小林史明)

2013年6月24日月曜日

七日町を歩いていると…

山形市の中心市街地、七日町商店街の通りを歩いていると目に入ってきた「テナント募集」の文字。

思わず、手に持っていたiPhoneで写真を撮ります。

白い模様のついた外壁が特徴的です。


隣にコンビニ、向かいにはモスバーガーがあるという、シェアオフィスなどのポテンシャルを持っているテナント。
今日は直射日光がとても強く、この空きテナントを開放し休憩スペースに出来れば良いなと感じました。

隣にはコンビニもあり、便利な立地。


街中は、意外とお金を使わずにゆっくり滞在できる場所がありません。
とりあえず、空きテナントを休憩スペース兼オープンハウスにするだけで、歩いて買い物している人には休む場所、物件を探している人には内覧する機会になる良い機会になるのではないでしょうか。

2013年6月12日水曜日

フリーレントスペースって?

フリーレントスペース、という言葉を知っているだろうか。

フリーレントスペースとは、街なかに点在する空きテナントを名前の通り賃料無料で借りる事の出来る空間です。そこでは、短期的なショップやギャラリー、カフェなどを実験的に実現できます。

第1回 Free Rent Project『三日間のお店 机と絵画』の様子。
















「無料で使える空きテナントなんてどこにあったの?」
「無料で貸してオーナーさんは、どんな得があるの?」
と大半の人が思うはずです。
もちろん、普通に探してもそのような物件は、そうそうありません。

それを実現させる手段は、
『この物件貸しています』
と開催期間中に来場者に伝えること。

本来、テナント募集を行う場合は、シャッターの閉じた店先に『入居者募集』の看板がかけられるか、不動産でのチラシ配布、インターネットでの掲示が一般的です。
しかし、これではこれから事業を起こそうとしている人をターゲットに募集をしているはずなのに、テナント内のイメージがつきにくいです。

シャッターが降りて閉じきった空き家。
















そこで、『無料で貸し出す代わりに企画開催者が物件募集を手伝う』という、物件オーナーさんも借り手にもメリットが生まれるそんなプロジェクトが『フリーレントプロジェクト(Free Rent Project)』です。

最近、山形の中心市街地でも、空き物件が目立つようになっています。
シャッターを閉じているより、開放して何か行われている方が、街が楽しくなります。

また、お店を開きたいと考えているけど、いきなりは不安と言う方のプレオープンの場所として、アイデアのトライアルやお客さんの反応をみる良い機会になります。

山形R不動産では、そんな要望の企画提案のお手伝いをします。
シャッターを開いて、あなたのアイデア実現してみませんか。


(文・写真=小林 史明、写真=工藤 裕太)